<高校野球秋季北海道大会:函館高専6-5七飯>◇14日◇函館地区Bブロック1回戦◇函館オーシャン

 現役高校生監督が初陣白星を挙げた。芳谷侑嗣監督(3年)が率いる函館高専が七飯に逆転勝利し、初戦を突破した。今夏までプレーイングマネジャーとしてチームを引っ張り、選手として引退後の8月中旬に監督となり、今大会で正式に登録。「今日はうまくいった。負けたくなかった」とシーソーゲームを制し、公式戦の初采配初勝利を喜んだ。

 試合前のノックは緊張で思うように飛ばない打球もあった。試合は2度逆転を許したが、4-5で迎えた6回1死満塁。2番川島拓朗二塁手(1年)の左前2点適時打で逆転した。選手兼監督時代は試合中でも、周囲に厳しい口調の言葉を浴びせることもあった。だが、この日は「本番ではプラスのことしか言わないと決めていた」と理想の監督像を求め、ベンチで笑顔を絶やさなかった。

 スタートしたばかりの監督業。5年制の学校で「5年生の夏まではやりたい。全道に出て1勝したい」と青写真を描く。次戦の相手は自身が今夏、代表決定戦で涙をのんだ強豪、函館大有斗。「因縁ですね。マジで勝ちたい」。雪辱に燃える17歳監督はそう言って、選手同様、自転車に乗って球場を後にした。【保坂果那】