<高校野球秋季北海道大会:小樽潮陵11-6小樽水産>◇19日◇小樽地区2回戦◇小樽桜ケ丘

 今夏の南北海道大会準優勝の小樽潮陵が、小樽水産を下し初戦を突破した。旧チームでも中軸を担った4番福原大生右翼手(2年)が、7-6と1点差に詰め寄られた直後の8回、再び突き放す2点適時二塁打を放つなど3安打3打点。「一振りで雰囲気を変えられるような打撃をしたい」という4番の一打で、大一番となる次戦の北照戦へ、弾みをつけた。

 特別な夏を経て、積極性を身につけた。小樽地区決勝で強豪の北照を倒す大金星を挙げ、南北海道大会でも決勝へ進出。東海大四に0-1で惜敗し「常に攻めることが大事だと感じた」。だからこそ、チャンスで立った8回の打席は、初球からバットを振った。新チームで今夏を経験したのは、福原ら3人だけ。絶対的なエースが抜けた穴を、今は攻撃力で補う。

 今夏の活躍で野球部は一躍、注目の的となった。「期待されるのはありがたいけど、『頑張れよ』と言われるのがつらい時もあった」。3回戦の相手は、宿敵の北照だ。「自分たちが力を付けるために必要な、因縁の相手。打ちます」。プレッシャーを振り払い、再び旋風を巻き起こす。【中島宙恵】