<高校野球神奈川大会>◇22日◇4回戦

 3点を追う9回、向上にミラクルが起きた。2点を返してなおも2死一、二塁。3番佐藤祐希外野手(3年)が右中間を破るサヨナラ2点適時打を放ち、5-4で平塚学園にサヨナラ勝ち。歓喜に沸くベンチ前で、安斉雄虎(たけとら)投手(3年)は仲間と抱き合った。

 劇的なサヨナラ勝ちは、190センチの長身右腕、安斉の力投がたぐりよせた。この日は中日、オリックス、日本ハム、ソフトバンク4球団スカウトの前で、最速141キロをマーク。7回1死から3番手としてマウンドに上がる。2安打を許し、9回表には失策絡みで1失点。だが無駄な点を防いだ。2死三塁、5番浅田祐介外野手(3年)をカウント2-1から外角低めの直球で見逃し三振。「スタンドで応援してくれる人のために、次の攻撃につながるように」と、腕を振った。

 「雄虎」という名前は母まゆみさんが好きだったという、89年夏の甲子園に出場した横浜・門奈雄虎さんから名付けられた。24日の5回戦では市ケ尾と8強入りをかけて戦う。その名にふさわしく果敢な姿勢で、エース神(じん)翔太(3年)と力を合わせ、チームを初の甲子園へと導く。