年が明けて、2016年のメジャーリーグの球春も近づいてきました。今年はあと65本に迫ったイチローのメジャー3000本安打をはじめ、前田健太のメジャー挑戦、ダルビッシュの復帰など、昨年以上にメジャーの話題も豊富になるものと思われます。
そんな中、独断と偏見で「イチ押し」に挙げたいのが、ヤンキース田中将大投手です。メジャー1年目は、初の環境への戸惑いなどがあっただけでなく、7月に右肘靱帯(じんたい)部分断裂で離脱。2年目の昨季は、開幕直後、右前腕部の炎症などで出遅れるなど、田中自身が納得できるシーズンではなかったのも事実です。
迎える3年目への決意は、おそらく過去2年とはまた違った種類のものではないかと想像しています。過去2シーズンの反省を踏まえているというだけではなく、今年2月にはまい夫人が第1子となる男の子を出産する予定です。日ごろ、野球の話題に関しては真剣な田中ですが、こと子供の話になると、完全に「マー君」の素顔に戻ります。文字通り「目を細めて」話すその表情は幸せいっぱいで、人一倍の子煩悩になることは間違いないでしょう。
プロ野球選手に限らず、だれしも子供ができれば生活が変わります。乳児期は夜泣きに悩まされることもあれば、授乳、おむつ交換と、何につけても手がかかります。その一方で、仕事の疲れを癒やしてくれるのも子供の笑顔です。たとえ、仕事で行き詰まったり、失敗しても、子供の笑顔で救われた経験がある人は少なくないでしょう。異国の地で、常に緊迫した舞台に身を置くメジャーリーガーはなおさらです。もしマウンド上で好結果を残せない試合があったとしても、新しい家族の存在は、マー君に別のパワーを与えてくれるに違いありません。
昨季、プレーオフの「ワイルドカードゲーム」で敗れた悔しさは、忘れていないはずです。幸い、オフ行った右肘遊離骨の除去手術の経過も良好のようで、体調面の不安もなく、順当なら今年も2年連続開幕投手は確実視されています。
家庭では新米パパとなる田中に、ヤンキースのエースとしての活躍を期待したいものです。
【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)



