現地2日、レッドソックスは故障者リスト(DL)に入っているパブロ・サンドバル三塁手が左肩の手術を受けると発表した。これでサンドバルは事実上今シーズンを棒に振ることになる。

 2008年にジャイアンツでメジャー・デビューしたサンドバルは翌年打率3割3分、25本塁打を記録するなど強打者として活躍。ジャイアンツがワールドシリーズを3回制するのに貢献した。

 14年11月にはレッドソックスと5年総額9500万ドルの大型契約を結び、三塁手が穴とされていたチームに大きな期待を寄せられながら移籍したのである。が、これまでサンドバルはその期待に応えられていない。

 1年目の昨シーズンはMLBキャリア最低の打率2割4分5厘、10本塁打で、打点も47止まりに終わった。

 さらに今シーズンのスプリング・トレーニングには明らかに体重超過とわかる状態で参加し、地元メディアやファンから2年目のプレーも疑問視する声が上がったのである。そしてその不安は的中し、オープン戦では2割3分3厘、2本塁打、6打点と不調をかこった。開幕後も4月上旬の3ゲームに出場しただけで6打席無安打のまま14日には15日間の故障者リストに入れられる事態となっていたのである。

 その後医師の診断、セカンドオピニオンなどを経て、シーズン中の復帰が望めない手術を受けることとなったのだ。

 この決断に対してメディアなどの目はかなり辛辣だ。全国紙USAトゥデー電子版は3日付けで「パブロ・サンドバルを失うことはたぶんレッドソックスにとってベストだ」という記事を掲載している。「同情はするが悲しさはない」という書き出しの同記事は、サンドバル不在のレッドソックスが4日時点で15勝11敗と2013年以来となる勝ち越しスタートを決め、好調であることを紹介。さらにサンドバルの体重や起用について議論する必要がなくなったことなどを挙げ、サンドバルの戦線離脱はむしろいいことだと皮肉っているのだ。

 ただそうはいってもチームのフロントにとって痛手であることは事実である。今シーズンのサンドバルの年俸が1700万ドルと高額だからだ。今回の決断でレッドソックスはたった6打席、しかも安打無しという結果のためにそんな大金を支払うことが決定したのである。

 シーズンが進み、負傷者が続出するような事態になるともうプレーできない選手たちのためにいくら支払っている、という話題になることが多い。今後レッドソックスがそんなことにならないことを祈るばかりだ。