19日に、タイガースからFAとなったマックス・シャーザー投手がナショナルズと契約で合意したことが明らかにされた。気になる契約条件だが、7年総額2億1000万ドルと報じられている。

 これはクレイトン・カーショー投手が一昨年にドジャースと結んだ7年2億1500万ドルに次ぐMLB投手史上2番目に高額なもの。右腕としては史上最高だ。シャーザー側はカーショーと同レベルの契約を望んでいたといわれていたので、ほぼ望みどおりだといえるかもしれない。

 ただスポーツ情報サイト、CBSSports.comのジョン・ヘイマン記者の記事によると、より巧みな契約内容になっているという。たしかに契約金5000万ドルを含み、7年間総額2億1000万ドルだが、チームがこれをシャーザーに支払うのは14年間になっているのだとか。通常一括払いになっている契約金についても同じになっているとしている。

 こうすることによって年3000万ドルではなく、年1500万ドルを倍の期間受け取ることになるのだ。チームにすれば、金利上昇がないので、実質的に2億1000万ドルよりも低い契約を結べたことになるのである。

 一方、シャーザーも契約金を14年払いにすることでワシントンDCでの非居住者所得税を免れることができ、さらに所得税の安いフロリダに引っ越すことで2000万ドルの節税ができるのだ。

 一見、不可思議な支払い引き延ばしだが、双方にとってメリットがある契約内容なのである。もちろん、シャーザーがナショナルズに選手として縛られるのは7年間のみだ。現役を続けていれば、7年後新しい契約をまた新たにどのチームとも結ぶことができる。

 今回ナショナルズは、ジョーダン・ジマーマン投手やスティーブン・ストラスバーグ投手など有力投手がいるなか、シャーザーが加入したことで豪華な先発陣が構成されることとなった。これによりラスベガスのオンライン・カジノBovada.lvはナショナルズを2015年シーズンのワールドシリーズ優勝予想のトップにしたということだ。それほどに今回の契約は大きなものと捉えられているのである。