フィリーズのコール・ハメルズ投手(31)が、敵地シカゴでのカブス戦で無安打無得点試合を達成した。129球を投げ、許した走者は四球による2人だけ。緩急を駆使して13奪三振を奪った。今季の大リーグではヘストン(ジャイアンツ)、シャーザー(ナショナルズ)に続いて3人目。今夏のトレード市場で最大の目玉とみられている左腕が、31日のデッドラインを前に自身の価値をさらに高めた。

 9回2死。シカゴ特有の強風にあおられた大飛球を、中堅手が足を滑らせながらもフェンス際で捕球した。ハメルズは自身初の達成に「特別な瞬間だ。ヘレラは素晴らしいキャッチをしてくれた」と感謝した。チームは地区最下位に沈み、プレーオフ進出を争う上位球団への移籍がまとまる可能性がある。「自分ではコントロールできないこと。その瞬間を楽しむことだけに集中している」。この快投がフィリーズ一筋で投げ続けてきた実力派の置き土産となるか、注目される。

 ▼ハメルズは打者有利といわれるカブスの本拠地リグリーフィールドで無安打無得点試合を達成。同球場では72年9月2日のミルト・パッパス以来43年ぶり。また、ハメルズとバッテリーを組んだルイーズが無安打無得点試合で捕手を務めるのは4度目。01年に野茂(レッドソックス)の無安打無得点試合でもマスクをかぶったジェーソン・バリテックの大リーグ記録に並んだ。