「ヤギの呪い」を味方? につけたメッツが、地元でカブスに連勝発進。15年ぶりのリーグ優勝まであと2勝とした。

 70年前と同じ「マーフィー」が、カ軍をまたも苦しめた。1回に先頭グランダーソン、2番ライトの連打で1点を先制すると、続くマーフィーも右翼への2ランで続いた。今季メジャー最多22勝を挙げ、後半戦の防御率は0点台のアリエッタを早々と攻略した。

 マーフィーは今ポストシーズン(PS)で5本塁打を量産。しかも4戦連発でPS記録にも王手をかけた。ドジャースとの地区シリーズからカーショー、グリンキー、前日はレスターとエース級をことごとく粉砕。それでも「確かにボールがよく見えているが、今はたまたま自分の調子がいいだけ」と謙遜した。

 警戒される理由は、もう1つある。カ軍は1945年のワールドシリーズで、ヤギを連れた観客の入場を断り、そのファンを「カブスは2度と世界一になれない」と激怒させてから語り継がれる、「ヤギの呪い」の再来だ。以降、リーグ優勝からも遠ざかり、このヤギの名前こそが「マーフィー」なのだ。地元シカゴはもちろん、全米中を「マーフィーはヤギの化身か?」と震え上がらせる。これまでナ・リーグ優勝決定シリーズで連勝発進した20チームのうち18チームがV。カ軍は第3戦から地元に戻るが、呪いを解くまでのハードルは高そうだ。(ニューヨーク=佐藤直子通信員)

 ◆新「10月男」 マーフィーが初回に2ランを放ち、球団初のポストシーズン4試合連続本塁打を記録。メジャー最長はベルトラン(ヤンキース)の5試合。さらに同一年のポストシーズン5発は球団新、通算でもピアザに並ぶ球団最多タイ。今季リーグ60位の14本塁打と決して強打者ではないが、プレーオフ7試合で打率3割5分7厘、5本塁打、8打点と爆発している。