マーリンズが通算762本のメジャー歴代最多本塁打記録を持つバリー・ボンズ打撃コーチ(52)と来季の契約を結ばないことを決めたと球団公式サイトなど複数の米メディアが3日に伝えた。薬物使用疑惑の影響もあって現役を退いた後、球界と距離を置いていた同コーチは今季、初めて正式にコーチに就任。一定の成果を残しながら、チームがプレーオフ進出を逃したこともあって、わずか1年でチームを去ることになった。

 ボンズ氏が加入した今季、チーム打率2割6分3厘はリーグ2位だった。イエリチ、オズナら若い中軸打者は成長を見せた。ロリア・オーナーら球団上層部はその手腕を評価していた。しかし、チーム本塁打(128)はリーグ14位、得点数(655)も同13位と破壊力に欠けた。チームもシーズン終盤に失速してプレーオフ争いから脱落。米メディアによれば、マッティングリー監督は同コーチの指導方針に不満を持っていたという。

 今季、メジャー通算3000安打を達成するなど完全復活を遂げたイチローにとっては、天才的な打撃感覚を共有できる数少ない存在だった。球史に残るスーパースターの“最強タッグ”も1年限りで解散となる。