ヤンキース田中将大投手(28)が、自身5連勝で、両リーグトップに並ぶ5勝目を挙げた。敵地でのレッズ戦に先発し、7回で10安打されながらも今季最多の112球を投げ4失点(自責3)でしのいだ。4回無死満塁のピンチを二飛と遊ゴロ併殺に打ち取るなど、3つの併殺打を奪った。交流戦のため打席にも立った。2三振を喫したが、2回にはメジャー初犠打も決めた。田中は「援護ももらえているので、しっかり試合をつくれれば、おのずと勝ちはたぐり寄せられるという思いでいる」と話した。

 チームは前日7日のカブス戦で延長18回を戦い、深夜移動で朝5時半にシンシナティのホテルに到着した。ただ、田中は先乗りして宿舎で試合を見た。試合終了前に「寝ちゃいました」と笑うが、この日の試合は田中にかかっていた。同僚から「今日は完投してくれ」と声をかけられ、「長いイニングは投げるんだという気持ちはありました」。疲れの見える内野陣に、守備の乱れが重なったが「ミスはつきものですから。しようと思って、してる人はいないですからね」と平常心を貫いた。

 ジラルディ監督は「守備のミスで余分にアウトを取らなければならない状況だったが、チームを背負って立ち、大事な場面を抑えてくれた」とエースに感謝した。田中も「粘って投げられた。4失点という結果よりは内容があったのでは」と充実感をにじませていた。(シンシナティ=水次祥子)