【ニューヨーク3日(日本時間4日)=千葉修宏】古傷の左ひざ痛で故障者リスト(DL)入りしているヤンキース松井秀喜外野手(34)が、今季中に手術を受ける可能性が高くなった。この日のレッドソックス戦前にチームドクター、ジラルディ監督らと協議。7日まで打撃練習中止の方針が決定し、最短8日の復帰は絶望。松井は手術に関し「状態次第」と言及、手術の可能性を否定しなかった。球団は手術させたい意向で、松井が決断を迫られる。

 松井が昨年の右ひざに続き、持病の左ひざも手術する可能性が高くなった。この日、「手術?

 どうですかね。状態次第ですよね。もちろん回避するのが一番いいんでしょうけど…」と手術に関して初めて言及。驚異的な回復が見込めない場合は、球団の勧める手術を考慮する姿勢を見せた。

 左ひざは依然として腫れが残る。レッドソックス戦前にはチームドクター、ジラルディ監督と今後について協議。この日から再開予定だった打撃練習は却下され、少なくとも7日まではスイング厳禁。週明けに再びトレーナーやチームドクターが状態を見て、打撃練習を再開するかどうかを判断する方針だ。DLの規則上、最短で8日に復帰可能だったが、その可能性はなくなった。ジラルディ監督は「まだ打撃練習に取り組める状態じゃない。今週はバットを握らない。それが現実だ。おそらく球宴前には、プレーしないだろう」と、前半戦の戦列復帰は絶望的な状況だ。

 一進一退の状態で、松井も手術について考えざるを得なくなってきた。現在行っているアイシング治療や患部の水抜きは、一時的な対症療法だ。松井が「自分でも見れば分かります」と腫れがひどく、仮に痛みや腫れがひいたとしても、プレー中の負荷がかかれば再発する危険がある。

 ジラルディ監督は「彼がいないのは痛いし、戻ってきてほしいが、健康でなければ戦列復帰はない。今いる25人で勝利を目指さなければならない」と慎重な姿勢を崩さなかった。チームはライバルのレッドソックスに完敗し、ア・リーグ東地区首位レイズとは8ゲーム差。緊急トレードを画策しなければ、縮まらない差となりつつある。

 指名打者の松井の穴はジアンビやポサダ、デーモンらが日替わりで埋める。それに比べ、エース王の抜けた投手陣の弱さは深刻。主力投手獲得のため、若手外野手カブレラや、複数の有望若手投手らが交換要員となる可能性がある。松井の離脱は、チームにも大きな影響を与えている。

 チームが4位転落寸前という低迷に、松井もフラストレーションを感じている様子だ。ここ数日、松井の手術についてジラルディ監督やキャッシュマンGMが言及しているため、日米メディアの話題が集中。松井は「にぎわしているのはみなさんですから」。早ければシーズン中、もしくは今季終了後の手術の決断を迫られている現状が、松井の心を曇らせているようだった。