【ボストン(米マサチューセッツ州)26日(日本時間27日)=千葉修宏】3Aスクラントンで調整中のヤンキース井川慶投手(29)が、メジャー40人枠を外れた。背番29も、トレードでこの日からチームに加入したネイディに奪われ、今季中のヤ軍でのメジャー再昇格は事実上なくなった。

 「60日間の故障者リスト(DL)に入っている選手の戦列復帰や、トレードでの選手獲得を考慮すると、40人枠の空きが必要だった」というキャッシュマンGMによると、井川を23日にウェーバーにかけ、獲得を名乗り出る球団のないまま、25日午後にウェーバー期間が終了。その後、マイナー選手の立場となって3A残留が決定したという。

 井川はこの日、「代理人からは“他球団でプレーできるチャンスが広がった”と言われています。(日本に)戻る気は全くありません。このままマイナーで調整し、アメリカでメジャーに上がるチャンスをつかみたい」とコメントした。だがメジャー復帰は容易ではない。ヤ軍は井川に見切りをつけており、一方、他球団への移籍も井川の年俸がネックになるからだ。

 井川にはまだ11年までヤ軍との契約が残っている。マイナー選手となっても、残り3年合計1200万ドル(約12億6000万円)の年俸は継続される。移籍交渉は両球団が12億円のうち、どれだけ支払うかで難航することが予想され、依然としてトレードも簡単ではない状況だ。