<レイズ4-8ヤンキース>◇3日(日本時間4日)◇トロピカーナフィールド
【タンパ(米フロリダ州)=千葉修宏、木崎英夫通信員】大リーグ史上初となるビデオ判定が行われた。ヤンキース3点リードの9回表2死二塁、4番アレックス・ロドリゲス(33)が放った左翼ポール上部への特大の打球が本塁打とされると、レイズ側が抗議したことでビデオ判定の適用が決まった。審判団が違う角度からの複数の映像を検証した結果、判定は変わらず本塁打となった。プレーオフ逆転進出へ負けられない一戦だっただけに、松井秀喜外野手(34)も3連勝につながった大事な判定にホッとしていた。
飛距離は十分だった。3点リードの9回表2死二塁。ロドリゲスの打球は左翼ポール上部をかすめて、天井から下がっている照明用つり橋を直撃した。三塁塁審は腕を回して本塁打のジェスチャー。だが捕手ナバロが飛び上がって抗議し、レ軍マドン監督もベンチを出た。
審判団のチーフ、レリフォード二塁塁審は「我々はみんな本塁打だと信じていたが、ビデオが導入されていたので、それを使用することにした」と史上初のビデオ判定を行うことを決意。2分15秒間の検証で打球がポールの内側を通ったことを確認し、再度、本塁打であることを両チームに言い渡した。
当のロドリゲスは「球審と同じ位置で打球を見ていたけど、確かに『これはビデオ判定かな』と思ったよ。相手が抗議に出てきたときは『さあやってくれ』って言った」と歴史的瞬間を楽しんでいる様子だった。「自分が最初の例としてふさわしい選手だってことかな」。実は5月21日のオリオールズ戦で、フェンス上部に当たった本塁打性の一打を二塁打と判定されたことがあった。このプレーも今回のビデオ判定導入のきっかけになったと言われているだけに、本塁打判定には納得の表情だった。
9回裏を3点差で迎えるか、5点差で迎えるかは大きな違い。ジラルディ監督は「時間がかかってもいい。判定が正確なことが大切だから」とうなずき、ベンチ裏でモニターを見ていた松井も「覆らなかったから良かった。僕も見てましたけど、どっちか分からなかったですから」と、勝利につながったビデオ判定に笑顔を見せた。
ア東地区首位レ軍に連勝し、9月は3戦3勝となった。松井自身も4-1の3回表2死三塁で、ジャクソンの外角へ逃げていく85マイル(約137キロ)チェンジアップにバットを折られながら中前適時打。「思わず手が出ちゃったんですけど、結果オーライという感じ」というラッキーぶり。故障者リストから復帰後の打率は2割1分4厘と低いが、これで5試合連続安打、3試合連続適時打だ。
まだワイルドカード争いトップのレッドソックスとは7差。地区首位レイズとは10差もある。「(ゲーム差は)仕方ないです。自分たちがコントロールできないから。とにかく勝っていくしかない」と松井。それでも本当に少しずつだがヤ軍が流れをつかみ始めてきた。



