メジャー挑戦を表明した新日本石油ENEOS・田沢純一投手(22=横浜商大高)が、代理人を採用しない方針であることが11日、分かった。この日、大久保秀昭監督(39)の元に新たにインディアンスから獲得の意思を伝える連絡が入った。正式打診は5球団目で、興味を示す球団を含めれば9球団と、争奪戦はヒートアップしている。

 その状況下で、現在まで代理人からは7件ほど売り込みがあった。もう1つの“争奪戦”が進行する中、田沢サイドは最善の策を模索してきた。大久保監督は「プロで実績を残したFA選手とは違う。向こうでやれるという状況になってから考えてもいい。初めから代理人がいない選手もたくさんいるし、使わない可能性もある」と話した。田沢自身、VIP待遇は望んでいない。大久保監督と相談しながら、自分自身で判断していきたい考えを持つ。まずは裸一貫、自分の力でメジャーに挑戦していくつもりだ。

 この日は日立製作所とオープン戦を行ったが、登板はなかった。前日にはレッドソックスが本格参戦を表明した。チームの印象について「日本の人がたくさんいるので、食堂などで見ることが多い」と話し、松坂については「雲の上の存在。すごいなと思って見ているだけです」と好印象を口にした。

 15日に大阪入りし、17日に日本選手権の初戦(三菱重工神戸)を迎える。インディアンスも大会中の交渉を希望。大久保監督は「試合前や試合後に時間が欲しいという球団はある。その時の状況次第」と、田沢同席のもとで「大阪交渉」の可能性を示した。【前田祐輔】