オリオールズに移籍した上原浩治投手(33)が18日、メジャー1年目を迎える今季の目標に200イニング登板を掲げた。「今年からチームもリーグも今までと違う。どういうふうになるのか分からないけど、ピッチャーがマウンドで投げるという事実だけは変わらない。これまで通りにイニング数にはこだわりたい。目標の数字は200イニングです」と移籍後、初めて具体的な数字を言葉にして、新天地となる異国の地での活躍を誓った。

 巨人時代からも、イニング数へのこだわりは強く持っていた。「どんなに不運でも、チームに必要なピッチャーであれば、登板数は増える」と言うように、勝ち星や防御率など、個人的な実力以外の要素で変動する数字だが、イニング数は違う。相手に関係なく、個人の力量を問うための目安になり、メジャーの投手がインセンティブを結ぶ場合でも、もっともポピュラーな項目になっている。

 上原は巨人時代からイニング数でインセンティブを結んでおり、メジャーでも実施している。1年目のインセンティブは、イニング数以外でも登板試合数で結んでいるが、200イニング登板すれば、両方のインセンティブの満額クリアは確実。さらにインセンティブを満額クリアすれば2年目の基本年俸500万ドル(約4億5000万円)から800万ドル(約7億2000万円)にアップされることになっている。

 巨人時代では200イニング登板を2度達成している。ここ2年はケガやチーム事情もあってリリーフに回ることが多かったが、オリオールズでは先発としての活躍が期待されている。「やっぱり先発が好き。200イニングは簡単な数字ではないけど、ローテーションの軸になって働けば達成できる数字ですから」と照準もピタリ。200イニング登板を達成し、先発投手としての完全復活を証明する。【小島信行】