<2005年11月23日付日刊スポーツ紙面>

 日本人初のメジャー捕手「JOHJIMA」が、誕生した。ソフトバンクからFA宣言し、メジャー移籍を目指していた城島健司捕手(29)が22日、福岡市内で会見を開いて、大リーグマリナーズ入りを表明した。3年契約で年俸総額は出来高払いも含め、1900万ドル(約21億8500万円)。投手とのコミュニケーションでキーポイントになる語学力について、城島は球団が派遣する「家庭教師」の24時間密着態勢で、英語とスペイン語の猛勉強をする。自己最高成績の達成をメジャー1年目の目標に掲げた。

 日本人捕手として初めて海を渡る決断も、城島らしさを貫いた。「マリナーズと正式に契約しました」。帰国から、3日。条件面での上方修正に加え、モリーナ、ヘルナンデスと米国のFA捕手2人に優先して交渉を進めた誠意に応えたかった。3年契約で年俸総額は出来高払いを含め、1900万ドル(基本年俸は総額1650万ドル)。これまでの契約更改では常に一発更改。日本人初のメジャー捕手誕生も、あえて、マネーゲーム突入の前に決断した。

 城島

 一番最初にオファーがあった。3人の捕手の中で、一番僕を評価してくれた。街もよかったし、誠意が伝わった。お金はもっと上がっていたかもしれないが、十分に高い評価をいただいた。

 前日21日夕。福岡入りした王監督に報告した。「日本にソフトバンクという素晴らしいチームがあることをアメリカにアピールしてくれ」。11年間、指導を仰いだ王監督の言葉が胸に響いた。夜には角田球団代表と会い、最終結論を報告。筋を通し、メジャー行きを表明した。

 マリナーズからは異例の〝VIP待遇〟が用意されていた。明日24日から来年2月キャンプまでの契約で、24時間密着マークの日本人家庭教師が派遣される。寝食をともにし、英語とスペイン語の2カ国語を徹底的に勉強する。異例の待遇は、城島に対する期待の大きさを表している。「日本と同じで投手と会話したい。誠意を持って話せば、おのずと理解し合えるはず」。プロ入団時に工藤、武田らのもとに果敢に飛び込んで成長した。近年は若手投手陣と積極的にコミュニケーションを図った城島。メジャー挑戦で、最大の障壁とされた「言葉」は、来春キャンプまでの「個人授業」で乗り切るつもりだ。

 日本人がメジャーに挑んでから、約40年。捕手は最後に残されたポジションだった。そこに日本球界NO・1捕手のプライドを胸に挑む。7年連続ゴールデングラブ受賞。昨年まで4年連続でリーグトップの盗塁阻止率。04年の36本塁打、打率3割3分8厘、打点は03年の119が自己最高。「レギュラーが保証されているわけではない。まず、開幕戦でマスクをかぶりたい。1回マスクをかぶれば、ポジションを空けることはしたくない」「3割切るとか思わないし、本塁打も減ると思っていたら、行かない。全部ヒット打ちたいし、全部盗塁をアウトにしたい」と言い切った。

 12月中にも入団発表のため再渡米する。日本人初のメジャー捕手「マリナーズ城島」の挑戦が、スタートした。【松井周治】

 -マリナーズに決めた理由は

 城島

 最初にオファーがあり、捕手の中で1番に評価してくれた。街の環境も良かったし誠意が伝わった。いろんな街に行って、お金がつり上がるということも考えられましたけど、僕の中では納得する条件が出たし、違う街に行く必要がなかった。

 -シアトルの印象は

 城島

 街並みが日本に近いものがある。宇和島屋さんという日本食のスーパーがあって、それが嫁の心をつかんだのでは。

 -王監督への報告は

 城島

 王監督、代表には昨日(21日)、こういう発表をします、と報告した。監督からは「チームの代表としてソフトバンクのことをアメリカの皆さんにアピールしてくれ」と。

 -アメリカでアピールしたいことは

 城島

 基本的に今までやってきたことをやりたい。普通にやるのが一番難しいが、合わせるところは合わせ、逆に日本でやってきたことを貫くところは貫きたい。

 -打撃面の目標は

 城島

 3割を打てないと思って向こうに行くつもりはないし、本塁打数が減ると思っても行かない。

 -メジャーに骨をうずめる覚悟

 城島

 3年後かいつかは分かりませんが、ユニホームを脱ぐのであれば、福岡でと思っている。希望がかなうのであれば、最後は福岡で脱ぎたいと思うが、向こうは腰掛けのつもりで行って通用する甘い世界じゃない。(2005年11月23日付日刊スポーツ紙面から)