大リーグのフリーエージェント(FA)戦線は今オフも買い手(球団)市場だった。移籍先未定で越年したFA選手が1日、2年連続で3ケタの大台に乗る異常事態となった。ワールドシリーズ終了後、正規の手続きを経てFA宣言した171選手のうち、年内の契約合意にこぎつけたのは55人。「越年率」は約68%で昨年の約77%より回復も、例年なら50%前後の水準には遠く及ばなかった。

 また契約内容もシビア。大リーグ研究家の福島良一氏(53)は「総額は大きくダウン。条件的にも華がない」と分析する。昨オフ、年内合意した39人の総額は約7億4800万ドルだったが、今オフは人数で上回りながら約4億6000万ドルと球団の財布のヒモが固い。大型契約と呼べるのは、5年8250万ドル(約74億2500万円)でレッドソックス入りする先発右腕ラッキー(前エンゼルス)、4年6500万ドル(約58億5000万円)でメッツと駆け込み合意したベイ外野手(レ軍FA)くらいだ。

 福島氏は「経済状況を考えると、球団側にとっては歓迎すべき傾向」と、緊縮財政の動きはますます強まると予想する。年俸調停を拒否されるなどして自由契約となった選手を含めると、「就活中」の大リーガーは150人を下らない。日本勢ではメジャー挑戦を表明する前巨人高橋尚、大家(インディアンスFA)らが越年した。実績ある選手も例外ではなく、スポーツ専門局ESPNはFA解禁直後に実力ランキングを発表したが、上位50人のうち23人が未定となっている。