松井右手密着グリップの本塁打量産バット
エンゼルス松井秀喜外野手(35)が、1・8ミリのこだわりで本塁打量産を狙う。23日、都内のホテルでミズノ社とのアドバイザリー契約更新の記者会見に出席。今季使用するバットのグリップエンドから5センチの部分を1・8ミリ太くしたことを明かした。力がよりバットに伝わる、究極のアーチストバット。ワールドシリーズでMVPを獲得した09年に満足することはない。新天地でのさらなるレベルアップを目指し、握りのフィット感へのこだわりを示した。
1・8ミリ。微妙な違いだが、松井にとっては大きな違いだ。09年はシーズン28本塁打を放ち、WシリーズではMVPを獲得。これまで「バットは変更しないと思います」と話すなど、成績が良かっただけに、形状の変更はないかと思われた。だが基本的なバランスは変えずに、微妙な握り具合にこだわった。
松井 僕がいつも求めるのは体との一体感。去年のバットも素晴らしかったんですけど、シーズン中から振っていく中で、ちょっとだけ太くしてみようというイメージが出来上がってきた。結果に関係なく、こうしたら良いのではというのは出てきますから。
グリップエンドから5センチの部分を1・8ミリ太くすることで、グリップからエンドへ向けて急激に太くなるのではなく、今まで以上になめらかに広がっていくイメージ。右手のフィット感が増した。右手がしっかり密着すれば効率よく力が伝えられると同時に、微妙なバットコントロールがしやすくなる利点もある。
巨人、ヤンキースとプレーしてきた中で、小指をグリップエンドに掛けたり、余らせたり試行錯誤を繰り返し、成績を残してきた。その都度、バットの形状も変化させてきた。
現在のグリップは、大リーグでもハワード(フィリーズ)、ロドリゲス(ヤンキース)ら、多くの選手が使用しているのと同じ、主流といえるもの。グリップエンドぎりぎりにバットを長く握るため、グリップからは段差がなく、なめらかに太くなっている。
バットをこの形状に変えたのは07年ごろから。メジャーの動くボールに対応できるようになってきたことが一番の要因だ。ケガなどで100%の力が出ず、08年は再びバットをやや短めに握ったこともあったが、09年は長く握って復活の28本塁打。10年用のバットは、さらにフィット感がアップした、天性のアーチスト用のものだ。
この日、ミズノ社と新たに4年契約を結んだ。「今年36歳になるんですが、少なくともあと4年は引退できないとプレッシャーでいっぱいです(笑い)。僕自身も少なくとも40歳くらいまではプレーしたいと前から言ってましたので。時間ともちょうどぴったり合うかなと」と気持ちも新たにした。
ヤンキース時代、エンゼルスタジアムは本塁打率(打数÷本塁打)が12・9と得意としている球場だった。左中間(約118メートル)よりも右中間(約113メートル)が狭く、左打者には有利と条件もそろっている。ミリのこだわりは、本塁打量産への本気度の表れといっていい。【千葉修宏】
[2010年1月24日9時21分 紙面から]
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