【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)7日(日本時間8日)=久保賢吾】ドジャース山本由伸投手(25)が、自己最長の8回を5安打2失点の好投で4勝目を挙げた。2本塁打を浴びたが、97球中73球がストライクで、ストライク率は驚異の75%をマーク。「制球力の神様」と化し、本拠地ドジャースタジアムで初勝利を飾った。チームは6連勝で、直近15戦13勝と白星街道を猛進。貯金を今季最多の12とし、2位パドレスとの差を6・5に広げた。

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6点リードの8回2死一塁、山本はマーリンズ・デラクルスに対し、カウント2-2から94・8マイル(約153キロ)の速球で空を切らせた。自己最長の8回を投げきって、腹の底から雄たけびを上げた。「8回に上がる時に最後かなという感じだったので、最後はしっかり出し切った」。大谷からは「三振取れて良かったな」と笑顔で迎えられ、ロバーツ監督からは握手とともにハグされた。

勝利への法則は、驚異のストライク率だった。1回、チザムに初球で先頭打者弾を浴びたが、次打者でリセット。気後れせずゾーン勝負を貫き、1球目から19球連続でストライクを投げ込んだ。打線が1回にマンシーの満塁弾で逆転。8得点の援護を受ける中、ストライク率は75%を記録し、テンポ良くアウトを重ねた。「少ない球数で長く投げられるのは一番理想的」と頭に描く投球を実践した。

新たな球種も織り交ぜ、相手の狙いを外した。ドジャースの大量リードで相手打者が積極的にスイングする中、ツーシームを解禁。「話し合いの中で投げるかもっていう感じでした。そういった感じで、相手に合わせた投球をしていけたら」。前回登板のダイヤモンドバックス戦ではスライダーを解禁したが、試合ごとに自身の投球の引き出しを開け、相手が集めたデータと研究を上回った。MLB公式サイトのデータでも、山本がツーシームを投じたとは示されなかった。

メジャーデビュー戦での黒星以降、4連勝をマークし、本拠地ドジャースタジアムで初勝利を飾った。「すごくうれしく思いますし、長いイニングを投げられたので、そこが一番良かった」とチームを6連勝に導き、チーム最長タイの8回を投げきった充実感に包まれた。「また次の試合に向けて、確認するポイントを冷静に整理して向かえたらなと思います」。勝つために、山本は毎試合変化しながら、マウンドに上がる。

▼山本が初球から2回2死まで19球連続ストライクを投げた。00年に全投球の追跡を始めて以降、球団では初めて。全97球中73球がストライクで、ストライク率は75%。4月19日メッツ戦の73%を上回り、自己最高となった。8試合の通算は69%。

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