<オープン戦:メッツ9-1タイガース>◇13日(日本時間14日)◇米フロリダ州ポートセントルーシー

 【ポートセントルーシー(米フロリダ州)=佐藤直子通信員】メッツとマイナー契約を結んでいる高橋尚成投手(34)が、開幕メジャーに大きく近づいた。2度目の登板となるタイガース戦で5回から2番手として登板し、3回1安打無失点。前回7日の初登板に続き、勝利投手となった。

 高橋尚が自ら設定した高いハードルを難なく跳び越えた。0-0の5回からマウンドに上がる。内外角の低めを自由自在に突く投球で圧倒した。7回こそ先頭打者オルドネスに内角直球を左前に運ばれたが、後続の右打者は外角シンカーで見逃し、続く左2人はいずれもカーブで空振り、遊飛に仕留めた。

 巨人時代から得意としたシンカーがさえた。「風が強かったので、ゴロを多く打たせたかった」と振り返るように、打者のタイミングを外していった。チェンジアップを武器にメジャー左腕セーブ記録(424セーブ)を持つメ軍OBフランコ氏からは「うわさ通りの好左腕。打者の手元で変化するシンカーは最高だ」と絶賛された。

 投げる度に首脳陣の評価を上げている。緩急自在の投球に、マニエル監督は「とにかく感心するばかりだ。打者に対する嗅覚(きゅうかく)の良さは絶品だ。(開幕メジャーから)外すことは大変難しい選択」と舌を巻いた。ワーセン投手コーチは「先発であれ、中継ぎであれ、チームが必要とする人材」と明言。今後は投球回数を伸ばしながら、先発テストも予定だ。

 持っている球種をすべて試したわけではない。この日は「右打者に対するツーシーム」(高橋)に、手応えを感じた。次回では、メジャーで有効とされるシュートを解禁する予定。「まだまだ打者もこんなもんじゃないと思う。上を目指して、また一からやっていきたいです」。周囲で始まった“高橋狂想曲”に浮かれることなく、マイペースを貫いていく。