<ブルージェイズ5-7レッドソックス>◇10日(日本時間11日)◇ロジャーズセンター

 【トロント(カナダ)=四竈衛】レッドソックス松坂大輔投手(29)の白星が消えた。ブルージェイズ戦に先発し、5回2/3を6安打4失点7奪三振。5-4とリードし、勝利投手の権利を得て交代したが、救援陣が追いつかれ、勝敗はつかなかった。

 立ち上がりは今季最高だった。1回は3者連続空振り三振でスタートした。ところが、ベンチへ戻ると、鼻血が出ていることに気付いた。一瞬、集中力が途切れ、2回にソロ本塁打を浴び、さらに3回には連続四球の後、2番スナイダーに同点3ランを喫した。「カットボールで沈ませてゴロを打たせるつもりだったのが、力のない速球になってしまいました」と反省したが、不安定だった今季序盤に比べて体調面での不安はない。実際、カットボール、ツーシームが時速150キロ前後を計測するなど、確実に球威は増した。その一方で、時折、投げ急いでフォームが乱れたように「魔が差す」ようなイニングがあることも否定できない。

 9勝目を逃したこと以上に、納得できない投球内容に、試合後は反省点が口を突いて出た。救いは自軍の勝利。「求めているものはもう少し。球自体は悪くない。ただ、自分でも投球が下手だと思いました」。理想とする投球スタイルは、確かに見えてきた。あとは、自らの手で、文句なしの白星を積み重ねていくしかない。