楽天岩隈久志投手(29)が今オフ、ポスティング(入札)システムを利用しての米大リーグ移籍を模索する。チーム選手会長は29日、今季全日程を終え、Kスタ宮城のファンの前であいさつ。感情の高ぶりをこらえながら「昨年2位で終わって優勝を目指してきましたが、最下位という結果でした」とわびた。自身の進路については「はっきりしていることは今ない。話せることはない」と話すにとどめたが、メジャー挑戦の決意を既に固めている。

 ポスティング移籍は球団の許可なくしては実現しない。だが楽天球団は岩隈の意向を最大限に尊重する方針。球団幹部は「彼を困らせるようなことはしたくない。球団創設からの功労者だから」とサポートを示唆した。米田球団代表は試合後、「しかるべきときに話し合う。遠くない時期にお伝えできると思います」と述べた。

 エースとして築いてきた「岩隈久志」というブランドに傷はつけないつもりだ。入札球団決定後、楽天側は条件を総合的に判断した後、その入札を拒否する権利を持つ。球団選択の条件は複数考えられるが、ひじ、肩に故障歴のある岩隈にとって、温暖な西海岸の球団はベターな選択。最も活躍できる環境を慎重に見極めていく。