<オリオールズ7-6マリナーズ>◇10日(日本時間11日)◇オリオールパーク

 マリナーズは4時間8分の激闘をサヨナラ負けで落とした。オリオールズとの一戦は延長13回に勝ち越しながら、その裏2点を奪われ3連敗。中前打で幕切れとなる直前の延長13回2死二塁の場面。右翼の守備位置で何を思ったのかを聞かれたイチロー外野手(37)は「まぁ、想像の範囲だと思うけど」。短い言葉を発しただけだった。

 試合前には、イチローにしては珍しいシーンがあった。試合開始3時間半前、ストレッチを開始しようとフィールドに出たイチローが、オリオールズの投内連係練習の合間を見て、上原に声をかけた。振り向いた上原が「早いじゃないですか」と返事すると「ボク、まじめだから」。しばらくして練習を終えた上原が、ダッシュで近づき、最後、でんぐり返しをするとイチローは笑って右手を差しだして握手した。その後、2人は大きな笑い声を響かせながら外野の芝生で約15分間話し込んだ。

 そんな明るい雰囲気で始まった今季初のオリオールズ戦。イチローは5回の3打席目では、鋭いライナーで右中間を破る二塁打を放った。7回の第4打席では、2死一塁で三塁線へセーフティーバントを試みて出塁すると、打線がつながって一時勝ち越しとなる4点目のホームを踏んだ。

 だが、試合後の雰囲気は重苦しかった。マ軍は前日9日にブラッドリーとランガーハンスを解雇し、マイナーから若手を昇格させた。チームの雰囲気を問われたイチローは「ちょっともう疲れちゃって。そんなことは…」と話すのが精いっぱいだった。(ボルティモア=木崎英夫通信員)