<アスレチックス7-5レイズ>◇25日(日本時間26日)◇オークランドコロシアム

 アスレチックス松井秀喜外野手(37)が、逆転の口火を切る中前打を放ち、チームに勝利を呼び込んだ。2点を追う7回1死走者なしでの第4打席。レ軍3番手ハウエルに追い込まれながら、5球目の低めチェンジアップをはじき返した。この一打からチームは逆転に成功。「あの回は集中打が出てよかった。ま、その最初だったわけですからよかったです」と喜んだ。

 左腕との相性のよさが際立つ。今季8本塁打のうち7本は左腕から放った。メジャーで打った本塁打の32%は左腕からで(169本中54本)、通算50本塁打以上を記録する現役左打者の中で、最も高い割合となっている。メルビン監督代行は「左打者の状態をはかるには、ボールを手元に引きつけなければならない左腕への対応が1つの指針」と話す。6年ぶりにア・リーグ週間MVP(7月18~24日)に選ばれた松井は、監督の理論を体現している男とも言える。

 左翼で先発したこの日は、守備でも軽快な動きを見せる場面が多く、攻守ともに好調の波に乗っている。プレーが好調ならば、しゃべりも好調。連日4万5000人の入場者を集めたニューヨークから一変し、本拠地オークランドには1万1000人強の観客だったが、「今日は3万5000人くらい入った?

 えっ入ってないの?

 そのくらいの歓声が聞こえたよ。気のせいかな?(笑い)」とジョークで締めくくった。(オークランド=佐藤直子通信員)