【アーリントン(米テキサス州)10日(日本時間11日)=高山通史、四竈衛】早くも野球殿堂入り!?

 メジャー初登板初勝利を挙げたレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)の身の回りの物が、「お宝指定」される可能性が浮上した。デビュー戦後にクラブハウスのロッカーのネームプレートが、MLBの管理下に置かれたもよう。今後、正式に公認されれば殿堂入り、チャリティーなどの用途で活用されることになる。日本だけではなく、米球界でもフィーバーはさらに過熱していきそうだ。

 ダルビッシュがわずか1勝で、MLBから「マーキング」された。9日のマリナーズ戦で記念すべきメジャー初勝利を挙げた直後、クラブハウスのロッカー上部にあるネームプレートに異変が起きた。ハウス内でロッカー整理、スパイク磨きなど雑務を担当する係、通称「クラビー」が小さな「☆」のマークが入ったシールを貼った。スター選手らがそろう中で、ただ1人。謎めいたセレモニーは1勝を記念した印では、なかった。

 野球殿堂まで、つながるかもしれない。そのクラブ担当者によれば「球団から言われたんだ。MLBから指示があったらしい」という。ダルビッシュの本物のプレートであることを証明するための措置であるもよう。ネットオークションなどで偽物が出回るのを防ぐなど、さまざまな目的を持つ。野球殿堂入りなど、記念用品として保管されることを想定し、MLBが動いたもようだ。総額1億ドル以上での入団で話題をさらい、初登板初勝利。今後さらにフィーバーが沸騰することも見込み、MLB側が球団に伝えて「お宝指定」するための、仮押さえをした可能性がある。

 異例なのは、ただのネームプレートが対象になったことだ。通常は選手の用具では、記録的な本塁打、安打を放ったバット、投手ならウイニングボールなどが選ばれるケースが多いという。スチール製で「11

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 DARVISH」と印字してある、ただのスチール製、銀の“名札”となるのは、極めて珍しいという。デビュー戦の初球、ウイニングボールは、ダルビッシュが大切に持ち帰った。代替する適当なグッズが他になかったためというのが、球団関係者の見方で、異例の選択になったとみられる。

 地元テキサスだけではなく、全米が注目する今季の大リーガーの1人であることをあらためて、実感する待遇。ワシントン監督が「いい経験をしたんじゃないかな」という苦しみながらの1勝の先に、想定外のプレゼントも待っていた。ダルビッシュはこの日は、前夜に3安打を浴びたイチローに移籍後初めてあいさつをして約10秒間、談笑した。昨季までパ・リーグでともにプレーした岩隈、川崎らとも旧交を温めた。敵地での14日ツインズ戦で、次回先発が濃厚。MLBへ、さらなるお宝を提供するため、再スタートを切った。