【アーリントン(米テキサス州)11日(日本時間12日)=高山通史、四竈衛】レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)の周囲に、早くも不穏な空気が漂ってきた。初登板初勝利を挙げた9日(同10日)マリナーズ戦後、初のブルペン入り。24球を投げ終えたダルビッシュを、マダックス、ホーキンズ投手コーチが取り囲んだ。

 約3分間、ジェスチャーを交えて談議。1回に4点を失うなど6回途中、8安打5四死球5失点だったデビュー戦を経て、コーチ陣としてはフォームなどの技術面とみられる助言を連発したもよう。ダルビッシュはどんどん、ぶぜんとしていった。

 話し合い終了後、投球練習を再開。登板2試合目を予定している14日(同15日)ツインズ戦への調整にしては、異例の“2部構成”の投げ込みを敢行した。1回目はおもにノーワインドアップ投法。初マウンドの課題だった制球の精度を上げるための試みだったようだ。だが2回目は振りかぶるワインドアップで17球。ワインドアップは両コーチがキャンプ中から推奨していた。ダルビッシュの狙いに反するフォームを勧められ、受け入れた可能性がある。

 本人は球団が設定した記者会見以外、基本的に取材対応不可。両投手コーチへの取材もブレーク広報部長は「ノー!」とシャットアウト。両コーチともに日本メディアの取材要請に珍しく応じなかった。臆測でしかないが、ムスッとしたダルビッシュの顔つきが本心の表れであれば…。投球理論などで双方で食い違いがあったことが濃厚だが、建設的な意見交換であれば今後の展望に注目だ。