米国、キューバ両国が国交正常化に向けた交渉を始めることを受け、大リーグ機構は17日、「政策転換がキューバ関連ビジネスに影響を与えるなら、各球団にその都度情報を伝えていく」との声明を発表。大リーグ入りするキューバ選手は、中米など第三国を経て亡命している。選手の契約金を狙った地下組織介入など問題点は多い。大リーグ選手会は「この方針が前向きな発展につながることを期待したい」と歓迎した。

 米国とキューバの国交が正常化すれば、亡命のリスクを負わずにキューバ選手が直接大リーグ入りできる可能性が出てくる。今季からキューバ選手の移籍が解禁された日本にも影響を与えそうだ。

 今年は巨人、DeNA、ロッテがキューバ選手を獲得した。しかし破格な年俸を見ても、メジャーは日本より好待遇。規制がなくなれば、有力選手が続々と米国に流れることが予想される。主軸候補のデスパイネと新たに2年契約を結んだロッテ山室球団社長は18日、「デスパイネはメジャーでも評価されている。あと2年一緒にできるのは良かった」と息をついた。

 好意的な声もある。阪神中村GMは「米国の代理人が入ってくると、価格が分かるというメリットはある」と指摘。ソフトバンク三笠杉彦球団統括本部副本部長は「フロントの腕の見せどころ。特殊な体制の国だから、どこまで関係をつくれるかだ」と話した。