マー君、決意のフル回転宣言だ。ヤンキース田中将大投手(26)が22日、古巣楽天の本拠地コボスタ宮城の室内練習場で自主トレを公開した。右肘靱帯(じんたい)の部分断裂で、シーズン後半を棒に振った昨季の反省から、「健康第一」が米2年目の最重要テーマ。広島に復帰したベテラン黒田博樹投手(39)が抜けたことで、先発の柱に期待されており、「先発30試合、200イニング登板」のノルマを自らに課した。

 ヤンキース入り報道からちょうど1年のこの日、田中が繰り返したのは、アスリートにとって基本中の基本のフレーズだった。メジャー2年目の今季に向け「一番は健康で居続けること。それだけです」と言い切った。テレビ取材であらためて抱負を問われても、口にしたのは「健康第一」。即答だった。

 鳴り物入りで海を渡った昨年、メジャートップタイ12勝で前半戦を折り返した。悔やまれるのは部分断裂した右肘靱帯(じんたい)のリハビリが長引き、後半戦が9月2試合のみの登板にとどまったこと。「段階を踏んで自主トレができている。それ(肘)も含め順調」。7年間を過ごしたコボスタ宮城の室内練習場。ノックの後、松井裕とのキャッチボールに変化球を交え、完全復活へ歩みを進めている。

 1年間先発ローテーションを死守する。それが、2年連続プレーオフ進出を逃したチームを救うことになる。「1年間投げれば200イニングは必ず超えてくる。30試合先発が求められている」。よどみなく達成すべき数字が流れ出た。昨季ヤ軍で唯一ローテを守りきった黒田が32試合だった。その黒田は広島に復帰。イチローもマーリンズ移籍に向けた交渉を進めており、「(2人の)存在の大きさをすごく感じる1年だと思う。でも去年ほど周りの目も甘くないですから」。妥協なんて似合わない。

 長いオフにも飽き飽きしている。ア・リーグ東地区で首位オリオールズに大差をつけられた昨年、10月以降は“自由の身”だった。「今年は30球団の中で一番短いオフになればいい」。思い描くのは、09年以来となるヤ軍のワールドシリーズ制覇。「マウンドに立つ限り、すべて勝つつもりでやっている。エースだ何番手だというのは関係ない。勝つことが求められるので」。2月21日には、フロリダ州タンパでキャンプに突入する。日米通算34連勝の大記録を打ち立てた田中が志すのは、決して折れない極太の大黒柱だ。【鎌田良美】