ソフトバンクが登板過多防止の秘密兵器を導入していることが23日、分かった。今キャンプからエコーによる超音波検査を全投手に行っていることが判明。肩回りの筋肉の疲労度を確認している。継続してデータをとり、シーズン中の投手起用にも役立てる方向だ。

 水面下で工藤流の秘密兵器が導入されていた。超音波検査の機器を3台購入し、今キャンプで活用。1軍~3軍の全投手を対象に、肩回りの筋肉を調べている。筋肉の収縮幅が狭くなっている場合は、故障のリスクが高まっていることを示し、登板を控えたほうがいい。幅に余裕があれば、登板可能。工藤監督が現役時代から取り入れていた検査だ。球団関係者は「逆に、投手が疲れを自覚していても、肩は元気なケースもある。キャンプ中からデータを収集して、シーズンに生かせればいい」と話す。今回のキャンプでは各クールごとに検査を行っている。

 工藤監督は連続日本一のカギとして、故障撲滅を挙げている。豊富な戦力を擁しているだけに、各選手のコンディションを維持すれば、勝利の確率は高まる。特に昨年はシーズン後半に失速が見られた。継続的にデータを採取することで、選手の体調管理に役立つことは確実だ。特に中継ぎ陣は登板過多になりがち。故障予防とともに、パフォーマンスの維持にもつながる。検査と同時に本人の考えも聞くことで、データと意識をすり合わせられる。各投手の傾向を把握するのに有効な方法だ。