バルデスに今度こそ白星を-。竜のドミニカトリオ「3D」が大量援護を誓った。今日12日DeNA戦(平塚)に中日ラウル・バルデス投手(37)が先発する。開幕からフル回転の8試合に登板するも0勝3敗。防御率2・45と奮闘しながら、勝ち星が遠い。主砲エクトル・ルナ内野手(35)も「たくさん点を取る」とアシストを約束した。

 責任感の強い男は黙っていられなかった。横浜スタジアムでの練習を終えたルナは熱く語った。「たくさん点を取ってバルデスを初勝利に導きたい。彼に足りないものなんてないよ。あとは勝利する日が来るだけだ」。今もっとも不運な男をオレのバットで救う-。4番の決意がにじんだ。

 バルデスの貢献度はずばぬけている。開幕からフル回転でローテを支え、先発投手の指標となるクオリティースタート(先発で6回以上、自責3以下)は87・5%。こんなに頑張っているのに、なぜ勝てないのか。

 ショッキングなデータが残っている。それは援護点の少なさだ。バルデスが投げている間にどれだけチームが得点したか。ここまで攻撃イニングが59イニングあり、わずか11点しか援護点がない。9イニング平均で1・68点。つまりバルデスが完投しても1点以内に抑えないと勝てないという計算だ。

 前回登板の6日阪神戦(甲子園)では9回2死からバトンを渡した福谷、又吉が救援失敗。8回2/3を2失点と踏ん張ったが、あと1アウトから白星が消える悲劇…。やっぱり1点以内に抑えないと勝てないということなのか…。気の毒すぎる。

 幸いなことに中日打線は上昇ムードだ。チーム打率はリーグトップの2割7分1厘。前カードのヤクルト2連戦(秋田)では2日間で27安打15得点と打ちまくり、借金もきれいさっぱりなくなった。

 今日12日からは首位を走るDeNAとの3連戦。今季3勝6敗と負け越している相手に、お返ししたいところだ。スタメンが予想されるナニータ、エルナンデスの2人は「彼(バルデス)にとっていい日になるように頑張るよ」と口をそろえる。悲劇の左腕を救うには、援護点がポイント。力を合わせ、今度こそバルデスをハッピーエンドに導く。【桝井聡】

 ◆前回の悲劇VTR 5月6日阪神戦(甲子園)。2-1の9回もバルデスは続投。簡単に2死を取った後、ゴメスにボテボテの中前打を許したところで交代。2番手福谷が連続四球で満塁とされ、スイッチした又吉も流れにのみ込まれた。代打関本に押し出し四球、続く新井にサヨナラ打を浴び、マウンド上で膝をついた。