右肋(ろく)軟骨損傷で2軍調整を続けていた阪神今成亮太内野手(27)がついに帰ってきた。29日に満を持して出場選手登録。6番三塁で即スタメン起用され3打数1安打。復活を印象付けた。

 2回先頭の第1打席。西武牧田のチェンジアップを巧みなバット技術で中前へ。6回第3打席にはカウント1-2から4球粘り四球を選んだ。

 「早く1軍に復帰したかった。9回までしっかり守ることも出来てよかった」

 長い道のりだった。4月3日巨人戦(東京ドーム)で右肋(ろく)軟骨を損傷。4日に登録を抹消され、リハビリを余儀なくされた。

 「焦りはないと言ったらウソになる。でも焦ってどうにかなる問題じゃない。しっかりこっちでやってから上がりたい」

 地道に治療を続けた。「再発したら一生懸命治療してくれているトレーナーの方々にも申し訳ない」。再発のリスクが高い脇腹の故障だけに慎重になった。

 13日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で、約1カ月ぶりの実戦。しかし14日には左太もも裏の張りを訴えた。23日に再び実戦復帰するも、脇腹の再発を恐れるあまりか、4試合連続無安打。もがき苦しむ今成を見て、28日には掛布DCが声を掛けた。「もう1回、壊れてもいいじゃないか。そうじゃないと上には上がれないぞ」。この言葉で吹っ切れた。その日の試合で、サヨナラ二塁打を含む4打数2安打。完全復活の手ごたえをつかんだ。

 「これから試合に出続けられるよう頑張っていきます」

 交流戦直前には、西岡、新井と三塁手が相次いで負傷離脱した。けがを乗り越えた男が、虎の窮地を救う。