オリックス福良淳一監督代行の55歳の誕生日は、悲しい出来事が重なってしまった。「痛いね。骨折とはね。本当に痛い」と嘆いた場面は1回だ。小谷野が右手首付近に死球を受け、骨折で約2カ月の離脱が決まった。糸井は胃腸炎により今季2度目の欠場。中軸2人が不在となった打線は、3回に中島が先制打を放ったが、その後は沈黙した。

 「あと1本。そこまでいってるけどね」。5回は1死満塁で中島が併殺打。8回は無死一、三塁もホームが遠かった。10安打を放ちながら10残塁で1得点。5安打2得点のロッテ打線とは対照的だった。

 前日のディクソンでの大敗に続き、エース金子で2連敗も頭が痛い。7回、田村に決勝の押し出し四球を献上。フルカウントから直球が抜けた。「最後の球は力が入ってしまった。押し出しで失点したら野手は何もできない。自滅してしまった」と悔やんだ。

 数日前に発熱があり、首脳陣は登板回避も検討していた。それでも金子は「東明も抜けた。ここで投げないと迷惑がかかる」と強行先発したが、報われなかった。福良監督代行は「せっかく(戦力が)そろってきたと思ったのに。いる人間でやるしかないね」と、バスに乗り込む直前も険しい顔のままだった。【大池和幸】