日本ハム白村明弘投手(23)が好救援で今季初勝利を手にした。2点ビハインドの7回2死満塁で登板。1球で西武浅村を打ち取り、8回も3者凡退。最後はハッピーエンドが待っていた。打線が9回に大逆転。「勝ちをもらっていいのかな」と、戸惑いながらも満面の笑みだ。

 5月26日に1軍再昇格後、確立した練習のルーティンがある。札幌ドームでの試合時。午後2時過ぎに始まる試合前練習の1時間以上前からグラウンドでキャッチボールを行う。短い距離で投球フォームを確認することが目的。ブルペン担当の黒木投手コーチの言葉がきっかけだ。「なぜ、それを続けないの?」。

 5月後半から6月は安定感を欠いた。要因の1つに基本動作のキャッチボールをおろそかにすることを指摘され改善。日々の鍛錬を積み重ねていくうちに「フォームのバラツキがなくなって、制球も球の強さも出てきた」(同コーチ)。これで8試合連続無失点だ。

 試合後に受け取ったウイニングボールは「高校の監督さんにあげようかなと思っています」。母校慶応の恩師で、前日24日に25年間の監督生活を終えた上田監督へ贈るつもり。疲労が見えるブルペン陣に、心優しくイキのいい若手が台頭してきた。【木下大輔】