記録更新に王手をかけた。楽天松井裕樹投手(19)がオリックス戦の9回から登板。3点リードの展開で1回を1安打無失点で抑え、22セーブ目を記録。12年に青山がマークした22セーブのシーズン球団記録に早くも並んだ。カード初戦の7月31日には2イニングで51球投げるなど、疲労が蓄積される中でも抜群の安定感を見せた。チームはこれで2連勝。3位とのゲーム差は4のままだが、上位浮上へ弾みをつけた。

 ついに並んだ。松井裕は球団記録である22セーブ目を挙げると「みなさんがつないでくれたからです。1イニングを全力で抑えることを考えている。みなさんで勝利の喜びを分かち合いたい」と控えめに喜んだ。

 疲労に勝った。7月31日のカード初戦では9回から登板し、2イニングで51球を投じた。ブルペンでの準備を合わせて約70球弱の投球数。先発投手と変わらないくらい投げ込み、前日1日はノースロー調整で疲労回復に努めた。この日も試合開始前までトレーナーやコーチと話し合い、登板可能なのか探った。最後は「疲労は0ではなかったけど、相談していけると思った」とマウンドに上がった。

 1日の休養で、直球に威力が戻った。豪快に腕を振り、グイグイ押した。先頭打者の4番中島には全てストレート勝負。フルカウントからの8球目を二塁手の後方に落ちるテキサスヒットにされたが、「一塁方向へのファウルも奪えたので、(球が)いってなくはないと感じた」と手応えはあった。出塁こそ許したが、最後は二直の併殺に仕留めて無失点。終わってみれば打者3人で9回を締めた。

 試合前にブルペンに入り、修正を行っていた。昨年までの先発調整で行っていたように傾斜のある場所で投げ込む。「チェンジアップを多投しすぎて、リリースポイントを確認したかった」と感覚を戻した。抜群の安定感は12年に球団記録の22セーブを打ち立てた青山も舌を巻く。「安定感がある。僕の時は40試合くらい投げての数字だから」と10代の守護神を手放しでほめた。記録更新についても「すぐ抜かれると思う」と太鼓判を押した。

 タイ記録達成について松井裕は「並んでいるだけです。当初の目標はここではないので。球団記録よりも、試合はまだまだある」とチームの勝利が最優先だと話した。12球団最年少の守護神が球団新記録の23セーブ目を挙げるのは、近い。【島根純】