巨人菅野智之投手(25)が、「鬼門」神宮を突破できなかった。坂本と長野の連続アーチで逆転した直後の6回1死一塁で、デニングに決勝の逆転2ランを浴びた。直後の中村に左前打を許して途中降板となり、5回1/3を8安打4失点で7敗目。「全部がダメでした。立ち直る兆しはあったけど、打ち損じてくれただけ。気持ちが悪いなという気持ちで投げていました」と、淡々と話した。

 神宮球場では5戦3敗。それでも、敗戦の言い訳にはしなかった。「相性を抜きにして、いい投球ができなかった」。四隅を丁寧に突いたが、微妙にコントロールが定まらなかった。2回2死一、三塁では、内角直球がシュート回転したのを川端に適時二塁打に。デニングの1発も、シュートが中に入った。意図したところに、球がいかない。そういう状況でも、防御率1点台の菅野だからこそ、何とかしてほしかった。

 状態が良くない中でも、執念を見せた。5回2死二塁では自ら右中間に適時打を放ち、迷わず三塁まで走って滑り込んだ。何とか流れを持って来ようとした。「いい方向に流れがいったけど、勝ちきれなかったのが僕の弱さ。(神宮での敗戦を)何回やっているんだと、切実に受け止めていきたい」と、すべての責任を自分に向けた。

 原監督は「やっぱり6回の勝ち越しのところ。勝負にいったけど、抑えきれなかった」と振り返った。チームは3連勝こそ逃したが、4カード連続で勝ち越しは決めた。それでも「まだ振り返る必要はない。また明日ということ」と、表情を引き締めた。菅野も巨人も、この敗戦を明日への糧にする。【浜本卓也】

 ▼菅野が4失点で7敗目。シーズン7敗は1年目の6敗を上回る自身ワーストとなった。菅野のヤクルト戦は通算4勝3敗だが、球場別に出すと

 神 宮 0勝3敗 防御率5・40

 その他 4勝0敗 防御率2・00

 東京ドームと山形で登板した5試合は4勝0敗なのに、なぜか神宮球場では勝てない。セ・リーグ本拠地6球場の中で、神宮球場だけが未勝利だ。