富士大は7回コールドでノースアジア大に連勝し、8戦全勝で最終週を待たずに4季連続27度目の優勝を決めた。プロ注目の右腕エース多和田真三郎(4年=中部商)が右肩を痛めて今秋リーグ登板を回避する中、チーム全員が結束した。

 富士大が最終週を残し、早々とリーグ優勝を決めた。7回コールドの快勝。だが、選手たちに浮かれた様子はみじんもない。4番久保皓史主将(4年=佐賀商)は「まだ代表決定戦にも勝たなければならないので」と気を引き締めた。

 絶対的エース不在の中で一丸になった。多和田と同期の左腕夏井康吉(4年=東北)が初回の1安打だけに抑え、6回無失点で今秋4勝目。6月の全日本大学選手権を経験し、制球に磨きをかけた夏井は「日本一が目標。もう1度神宮にいきたい」と全国マウンド復帰に意欲を見せた。

 攻めては4回裏1死一、三塁から久保主将の中前打で先制。この回打者10人で一挙5得点の攻撃につなげた。今夏の全日本では3-5で東農大北海道に初戦敗退。最速149キロの相手エース井口にてこずった。その後チームはバットを短く持って球数を多く投げさせるなど、つなぐ意識を浸透させて実践してきた。

 多和田も15日からキャッチボールを開始予定で、神宮大会東北地区代表決定戦(10月24日~、福島)の登板を目指している。エース不在の危機感が、投打の底上げにつながった。久保主将は「全勝で勢いをつけたい」と完全優勝で代表決定戦に乗り込むつもりだ。【佐々木雄高】