3季連続リーグ制覇を狙う東農大北海道が首位を死守した。勝てば優勝が決まる1勝差の2位函館大との直接対決。両チーム無得点で迎えた延長11回で降雨コールドが成立し、引き分けた。先発した今秋のドラフト候補、エース井口和朋(4年=武相)が7安打10三振無四球で完封。味方の援護に恵まれず勝利はつかめなかったが、エースの仕事を全うした。歓喜の瞬間はお預けとなったが「自分が投げたいところに投げられた」と納得顔だった。

 11回133球を投げきれたのは成長の証しだ。6月の全日本大学選手権で人生初の9回完投。ただ、スタミナ不足から終盤に失点。「8、9回は怖い。気を引き締めて行かないと」と、この日は抜群のコントロールで乗り切り、同じミスは犯さなかった。6回まで着ていた長袖のアンダーシャツを7回から半袖に着替える工夫も勝利のため。この日の気温は約16度。「マウンドでは暑く感じる方。集中力が切れそうになるのを防ぎ、スタミナが持つかなと思って。寒かったけど」と執念を見せた。

 リーグ戦終了後にはプロ志望届を提出する予定。自信を持ってプロの世界に挑戦するためにも、まずはチームの優勝が最優先。今日20日のリーグ最終戦で函館大に引き分け以上で頂点を手にする。「明日に備えたい」と連投も覚悟。エースのプライドにかけてマウンドに立つ。【保坂果那】