ともに勝ち点4の首位決戦は、東北福祉大が仙台大に先勝し、2季ぶり66度目の優勝に王手をかけた。地元楽天の星野仙一副会長(68)ら10球団、約30人のプロ関係者が視察する中、ドラフト上位候補の仙台大エース熊原健人(4年=柴田)を攻略。8回裏2死から3番楠本泰史(2年=花咲徳栄)の左越えソロで勝負を決めた。

 東北福祉大がプロ注目の4年生右腕対決を総力戦で制した。最速151キロの佐藤優(古川学園)と同152キロの仙台大・熊原の、ともに宮城出身エースの投げ合い。ネット裏では星野副会長ら楽天関係者12人を含む約30人のスカウトが熱視線を送った。

 佐藤は5回1/3を5安打2失点で6回途中降板。先制点を守り切れずに白星は逃したが、「ゲームの流れは作れたと思う。野手に感謝です」と振り返った。細かい継投の後続3投手もそれぞれ無安打無失点で切り抜け、勝利に貢献した。

 打線は1回裏2死一、二塁。5番浅沼祐亮(3年=日大山形)の右翼線二塁打で2点を先制して相手の出ばなをくじいた。中盤に追いつかれたが、8回裏2死から3番楠本の左越えソロ本塁打で勝負を決めた。3戦勝負になった今春は、熊原に第1戦と第3戦で完封負け。楠本は「何としても熊原さんから打ちたかった。やってやりました」と胸を張った。

 今秋から指揮する大塚光二監督(48)もリーグ初制覇に王手をかけた。「勝ち点を取ったわけではない。構えずに攻める姿勢を変えずに戦いたい」と今日11日の第2戦をにらんだ。【佐々木雄高】