8季ぶりとなるプレーオフで東日本国際大(福島)が石巻専修大(宮城)を下し、2季連続26度目の優勝を決めた。先発の右横手、船迫大雅(ひろまさ、1年=聖光学院)が6安打完封。春の5勝と合わせ1年目で“10勝”を挙げ、春秋連覇に貢献した。

 「ほとんど失投がなかった」。そう言い切れるほど、船迫のボールはさえていた。二塁に進ませたのも、四球も1度だけ。丁寧にコーナーをつき、わずか94球で完封勝利を果たした。「力まず、いい意味でリラックスして投げられました」。1年生らしからぬ堂々としたピッチングで2季連続の優勝投手となった。

 春から秋にかけ「本当の意味で自分を知れた」と言う。気付いたきっかけは、2つの敗戦だ。秋のリーグ戦前、仙台大との練習試合で「記憶にないぐらいボコボコ」に打ち込まれた。9月26日の東北公益文科大戦ではタイブレークの延長11回に焦って失投し、敗れた。いずれもムキになり、力んで球が浮いたことが敗因だった。「自分(のボール)はたかだか130キロ程度。力でいくのではなく、緩急だ」と再確認した。

 秋は4勝2敗で、防御率は0・34。リーグ成績に入らないこの日の勝利を含めれば、1年目で“10勝”を挙げたことになる。「相手がいやがるピッチングをする」。確立したスタイルを武器に、秋の神宮出場をかけた東北地区大学野球決定戦に臨む。初戦は25日、仙台6大学1位の東北福祉大に決まった。船迫は「初の神宮に行けるよう、チームに貢献できるピッチングをしたい」と力強く宣言した。【高場泉穂】