「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が22日、都内で行われ、阪神が東京6大学野球新記録の通算131安打を放った明大・高山俊外野手(4年=日大三)を1位指名した。ヤクルトと競合したが、くじを外したように思われた金本新監督が実は引き当てていたという珍事態が起こった。

 会見場に訪れたヤクルト真中満監督(44)は、少し申し訳なさそうだった。「くじに、ドラフトのマークがあったのでOKだと思った。全く気付きませんでした」。歴史的珍事となった勘違いについて、ゆっくりと説明した。「あのガッツポーズを返してください」と、ため息をついた。

 昨季に続き2度目のドラフト会議。左手でくじを引き、中身を開封した。右手にくじを持ち替え、両手で大きくガッツポーズを決めた。真中監督の視界に入ったのは、くじの左側に記してあるドラフトのマーク。「事務局の人から『これは真中監督のくじですか? 外れのものです』と言われたけど、よく分からなかった」。「交渉権確定」の文字は書かれていなかった。

 午前中には、明治神宮に衣笠球団社長と祈願を行ったが、「ヤクルト高山」は幻と化した。仕切り直しで、東洋大・原樹理投手(4年=東洋大姫路)を1位指名。真中監督は、「140キロ後半の速球と球種も豊富にある。チームを引っ張ってもらいたい」と期待を込めた。一時は明大・高山を引き当てたと思いこんで、テレビインタビューで「慣れ親しんだ神宮球場で一緒に頑張ろう」と言った同監督。ハプニングのドラフト会議となった。【栗田尚樹】