FA有資格者が権利を行使するための手続き期間が30日、スタートした。FA権を行使する場合は日本シリーズ終了の翌日から土、日曜日と祝日を除く7日間以内に在籍球団への通知が必要で、今年は11月10日が期限。翌11日にコミッショナーからFA宣言選手として公示され、12日から契約交渉が解禁となる。海外FAの条件を満たしたソフトバンク松田宣浩内野手(32)は期限いっぱいまで熟考する構えをみせた。

 今季、海外FA権を初取得したソフトバンク松田が、FA権の行使について申請期限の11月10日まで熟考するスタンスを明かした。前日29日に日本シリーズを終え、連続日本一の喜びに浸った松田は羽田空港で取材に応じ「体が疲れているので、そこからです。まだ時間もあるので大丈夫です。ギリギリまでじっくり考えたい」と話した。

 ソフトバンクは4年16億円の大型契約を基本線に、残留交渉を進める方針。関係者によると松田も希望枠で入った経緯などから恩義を感じるソフトバンク残留を基本線に考えているとみられる。一方でプロ生活10年を終え、他球団からどう評価されているのか聞いてみたい思いもある模様だ。

 福岡に戻った後は、地元テレビ局FBSの情報番組「めんたいワイド」に生出演。「今年は1年間トータルで見て、野球人生の中で一番声を出していたと思う」と、選手会長として引っ張ったシーズンを振り返り「また来シーズンも熱い応援をよろしくお願いします」などと、ファンにメッセージを送った。

 国際大会「プレミア12」を戦う侍ジャパンにも選出されており、2日間の静養を経て、11月2日から福岡で始まる代表合宿に集合。プエルトリコと強化試合2試合を戦った後、札幌、台湾で1次ラウンドを行う。タイトなスケジュールの中、FA宣言をするかどうか、熟考を重ね、結論を下す。権利を行使すれば、今オフのFA市場で最大の目玉となるだけに、今後の動向が注目される。