V3への道が早くも始まる。ソフトバンク工藤公康監督(52)が「鬼」に変身する。日本シリーズ制覇から一夜明け、30日に都内ホテルから横浜市内の自宅に戻った。「寝るのが遅かったから、寝不足です。ホッとしているのと最高の気分」と心境を語った。休養はたった1日で、今日31日には宮崎の秋季キャンプに合流する予定。気を緩めるどころか、若手の育成に燃えていた。

 「今年の投手陣に対抗する選手を作っていかないと。来年の投手は競争意識が大事になる」

 秋季キャンプでは「工藤班」を結成し、体力強化のためにハードなトレーニングを課す方針だ。強化指定選手として千賀、二保、飯田、東浜、嘉弥真、岩崎、坂田らの名前を挙げた。「秋に筋肉を作ってもらい、レベルアップしてもらう。オフの間も続けてもらう。鍛えても大丈夫な投手にはキツイ(メニューになる)かもしれない」。コンディショニングに精通する指揮官は、強化法の引き出しも多い。工藤メソッドで飛躍の土台を築く考えだ。

 その上で、工藤監督は春季キャンプ初日となる2月1日の体力テスト実施を予告した。「クリアできない人にはB(2軍)に行ってもらう。できなければ、サヨナラだ」。黄金時代の西武に在籍し、続けて勝つことの難しさを知っている。3連覇は並大抵の努力ではできない。まずは投手陣の底上げに力を注ぎ、チーム力の向上を狙う。【田口真一郎】