広島が中日を自由契約となったエクトル・ルナ内野手(35)の獲得に向け、本格調査に乗り出したことが2日、分かった。ルナは日本通算3年で打率3割1分6厘、34本塁打、184打点と実力は折り紙付き。補強ポイントのひとつだった三塁手とあって、白羽の矢を立てた。中日はルナを保留選手名簿から外しており、この日、自由契約公示された。

 広島が照準を絞ったのは、日本球界で実績十分のスラッガーだった。中日を自由契約となったルナだ。球団はこの日公示された保留選手名簿からルナが外れ、自由契約として公示されていることを確認。本格的な調査に入った。近日中にもルナ側と接触する可能性もある。仮に獲得となれば、これ以上ない効果的な補強となりそうだ。

 広島は三塁手の補強を最重要課題の1つに挙げてきた。今季三塁で最多の81試合にスタメン出場した梵はケースに応じた打撃などベテランらしさを出したものの、両膝に不安を抱え後半成績を落とした。代わって1軍昇格した堂林もまだ成長過程。選手会長小窪、26歳の安部らも、レギュラーに手を掛けながらも、奪いきれていないのが現状だ。

 獲得となれば、もたらされる影響は大きい。ルナは日本通算3年間で408安打を放ち通算打率は3割1分6厘、34本塁打、184打点の成績を残した。来日1年目の13年には6月1日まで打率4割をキープするなどし、結局3割5分をマークした。常に全力プレーで気を抜かず、守備も評価が高い。35歳で膝や肘に不安こそあるが、三塁のレギュラー争いを激化させるのにこれ以上の存在はない。

 現時点でルナの獲得に名乗りを上げている他球団はないが、広島はマネーゲームには応じない姿勢を示している。すでにDeNAを退団したバルディリスらの調査も行うなど、国内外に獲得候補を複数リストアップ。状況を見ながら慎重に検討を重ねていく方針だ。

 広島は今オフ新外国人としてジェイソン・プライディ外野手(32=アスレチックス)を獲得。エルドレッドとはすでに残留で合意している。投手では最優秀防御率を獲得したジョンソンの残留が確定。さらに投手も引き続き調査を進めていく予定となっている。25年ぶりの優勝へ、抜かりなく準備を進めていく。

 ◆エクトル・ルナ 1980年2月1日、ドミニカ共和国生まれ。リセオ・ホセ・マルティン高から99年インディアンスと契約。04年カージナルス移籍し、同年メジャー昇格。5球団を渡り歩き、メジャー通算339試合、打率2割6分2厘、15本塁打、96打点。13年中日入りし、外国人初の背番号0をつけた。同年に23試合連続安打。187センチ、99キロ。右投げ右打ち。