阪神が、2年契約を終えて来季の慰留に努めてきた呉昇桓投手(33)と交渉を打ち切る可能性が急浮上した。7日、母国の韓国メディアが海外での不法賭博容疑で検察に召喚すると報道。かねて大リーグ志望の呉昇桓に対して残留を熱望してきた阪神も緊急で事情聴取する方針だ。韓国の賭博事情、韓国プロ野球選手の賭博問題については以下の通り。

 ◆韓国の賭博事情 韓国では賭博に対する厳しい規制を敷いている。国内には複数の賭博施設があるが、ほとんどが外国人向けで韓国人が出入りできるのは1カ所だけ。また、刑法では、海外で韓国人が賭博を行った場合の処罰規定もある。明確な線引きはないが、「常習」と「一時的」な行為で解釈が変わってくる。起訴されると、どの程度の金額を使ったか、賭博を行う頻度、行った人の社会的地位も総合的に判断される。今回、韓国検察は、韓国のプロ野球選手の賭博額が娯楽レベルを超えたとみて司法処理する方向を決めた。 

 ◆韓国選手賭博問題 韓国の警察が中国マカオのカジノで不法賭博に関わっていた野球選手を捜査していることが明らかになり、韓国プロ野球サムスンが10月20日、複数の選手がこれに関与した疑いがあることを公表。その後、同球団で守護神として活躍する元ヤクルトの林昌勇が含まれていることが判明。同26日に韓国シリーズの出場登録メンバーから外され、プレミア12の韓国代表からも除外された。韓国メディアによれば、11月24日にソウル地検で取り調べを受けた林は賭博行為は認めたが、数千万円と言われる賭け金については数百万円だと主張しているという。同30日に発表された球団の保留選手名簿から外れ、引退危機に追い込まれている。