オリックス西勇輝投手(25)を分析。

 西がパ・リーグの先発投手で、最も安定していた。

 今季は24試合に先発して、クオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)を20度記録した。QS率は83・3%。今季の規定投球回以上で両リーグ4位となり、パ・リーグでは則本(楽天)の78・6%を抑えてトップ。勝利、防御率、勝率の投手3冠を達成した大谷(日本ハム)の72・7%を10ポイント以上上回った。初登板の3月31日ソフトバンク戦で7失点し、4月終了時の防御率は4・10も、5月以降は2・05。5月以降だけならば防御率1位だった。

 得点圏に走者を背負った場面は114打数20安打の被打率1割7分5厘。得点圏での被打率は規定投球回以上で両リーグ1位と、ピンチに強かった。20安打のうち16本は単打で、得点圏で打たれた長打は二塁打3本、本塁打1本の4本しかない。特に、2死後は得点圏で打たせなかった。同ケースでは57打数5安打で、被打率がわずか8分8厘。5月以降には5月24日田村(ロッテ)8月1日ペーニャ(楽天)9月12日今江(ロッテ)の3安打しか許していない。

 2死後のピンチをしっかり抑えたことで、余計な失点を防ぎQSを記録した。2死後の得点圏被打率が1割未満(規定投球回以上)は07年高橋尚(巨人=9分7厘)以来で、最近10年では07年高橋尚、15年西、菅野の3人だけ。ダルビッシュ(日本ハム)や田中(楽天)でも1割を切れなかった。

 デーゲームを得意とした。8試合登板したナイター(午後5時開始を含む)の1勝4敗、防御率4・06に対し、デーゲームは16試合で9勝2敗、防御率1・61。最近10年、デーゲームで9勝以上は西を含め6人いるものの、他の5人は防御率2点台が2人、3点台が3人。防御率1点台で9勝以上は西しかいない。【伊藤友一】