“ライアン先輩”超えだ。今秋ドラフトの超目玉、最速156キロ右腕の創価大・田中正義投手(3年=創価)が3日、都内で自主練習を行い、大学OBのヤクルト小川泰弘投手(25)に偶然、遭遇した。田中は2年春から東京新大学リーグ14連勝中で、小川の持つ25連勝のリーグ記録を視野に入れる。「追いつけるように頑張りたい」と新年の再会に気持ちを新たにした。

 正月返上で練習する創価大・田中にとって、うれしい“ご褒美”だった。偶然居合わせた大学OBのヤクルト小川に声をかけられた。「『楽しみ』って言ってもらえました。たくさん経験をされているから、自分に自信を持っている雰囲気を感じました。早く一緒の舞台でやりたいです」と刺激を受けた。

 再び、憧れの先輩を超える。昨秋、防御率0・00を記録し、小川の持つリーグ記録(0・12)を塗り替えた。今年狙うのは「連勝記録」の更新だ。田中は2年春からリーグ戦14連勝中で、小川の持つリーグ記録の25連勝を強く意識する。「何とか(試合で)負けないようにしたいです」。昨年は年間12勝を挙げており、不可能な数字ではない。

 エース兼主将として臨む覚悟が突き動かしている。「1日も欠かさずに練習するのは初めてです」。横浜市内の実家に帰省中だが、元日は八王子市の創価大グラウンドに足を運び、この日も都内でキャッチボールやノックなどを精力的に行った。「練習はあまり好きな方ではないんですが、今は苦じゃない。自然と、やりたいから練習をしています」と言い切った。

 スカウトに「完璧」と言われる最速156キロの直球を持つが、田中は満足していない。「たとえば、フォークも真っすぐと同じ腕の振りで同じ軌道で落とせるようにしたい。どうすればいいか。毎日考えることが大事」。プロの第一線で活躍する小川に会い、さらにその思いを強くした。2016年も田中の頭にあるのは野球のことだけだ。【和田美保】