限界知らずの41歳シーズンが幕を開けた。楽天松井稼頭央外野手(40)が15日、東京都内で伊志嶺、阿部らと行う自主トレを公開した。約50メートルを1~4往復するダッシュで10歳年下の後輩と五分以上に渡り合うなど、いまだ衰えぬ身体能力を余すことなく披露。10月に41歳を迎えるが「何が限界か自分には分からない。今のところ全く見えてこない」と胸を張るベテランが、今年も楽天を支える。

 代名詞の「走り」が、健在の証明だった。100メートル16秒台、200メートル36秒台、300メートル60秒台を2本ずつ走り終えて迎えた最終の400メートル。苦しさで表情がゆがんでも、腰の位置は一定のまま。30歳の伊志嶺をしのぐ約90秒で完走してみせた。「この練習は、もう何年も一緒。ウエートでも少し重いものを上げたり瞬発系を入れている。年齢なんか考えたことないよ。40歳だからって試合で何か特典があるの?」。午前8時前から始まった自主トレはウエート、ノックなどを経て午後3時以降も続いた。「1年1年が勝負」と、キャンプ並みの練習量で23年目シーズンに備える。

 積み重ねた数字が今季、さらなる集大成を迎えようとしている。シーズン100安打なら国内通算2134本目となり、通算安打数でPL学園の先輩、清原氏と宮本氏を抜く。両氏の名前には「恐れ多いです」と謙遜しつつも「いつも去年を上回りたいと思っている。貪欲に狙いたい」と、大きな両目は常に高みを見据える。同学年の巨人高橋由は監督となったが「僕は1年でも長くやりたい」。挑戦は終わらない。【松本岳志】