竜投戦国時代を“サル”が制する。中日の先発ローテーションは開幕投手に指名されている大野と昨季10勝の若松が軸となるものの、6番手まで確保するとなれば、最大4枠は残っている状態。

 これまで実績を積んできた者や、台頭が期待される若手。1軍キャンプも22~23人が参加し、その争いは群雄割拠、戦国時代さながらの激しさだ。

 虎視眈々(たんたん)と狙う左腕がいる。今年36歳を迎えるさる年の年男、雄太が「猿」と呼ばれた豊臣秀吉のように“出世”を目指す。

 前日21日に自主トレ先のグアムから帰国。22日はナゴヤ球場で体を動かし、キャンプに向けて荷物の整理を行った。昨年は0勝に終わり悔しいシーズンだった。次で1軍登板100試合目と節目の年でもあり、復活が懸かっている。3月25日からの開幕3連戦に照準を合わせた。

 開幕カードの阪神戦の舞台は京セラドーム大阪。「大坂の陣」は春だ。雄太は「毎年そこを目指している」と力を込めた。「目標にしているだけではダメ。何か変えないといけないと思って」と調整を早め、グアムでは立ち投げでのブルペン投球に変化球も含めた。「去年いたマートンがいなくなって層は薄くなったかもしれない。でもその穴は埋めてくるはず。気は抜けられない」と分析。アウトの山を築き「刀狩り」のように猛虎打線のバットを沈めさせる。

 真っ黒に日焼けをした12年目左腕が、ローテ争いを戦い抜く。【宮崎えり子】