ソフトバンク松坂大輔投手(35)がマメをつぶしても投球練習を続行し、捕手を立たせたままながら95球を投げた。「ぐわっ」と声を上げた5日から中1日で今キャンプ3度目のブルペン。西武時代からの同僚細川を相手に投げた。

 55球を投げたところで、細川の方へ歩み寄った。右手親指のマメをつぶしたからだった。東家トレーナーにテーピングをしてもらい投球再開。7球投げたところで突然、ブルペン隣にある打撃ケージへ。打撃用のすべり止めスプレーをプシューッと右手に吹きかけた。「テーピングがすべるので、テープにかけました。試合中はやらないです」とニヤリ。試合では右手に異物をつけて投げてはいけない。まさに公然の違反投球? だったが「あそこで終わるのはもったいない」と投げ続けたかった。

 4度も途中で投球動作を止めた。肩に不安はないが、まだ投球フォームを模索中。細川にもアドバイスを受けながら、フォームを確認した。左足を上げた時に真っすぐ立ちすぎると一塁側へ体が倒れる。だが、上半身が前へ倒れ過ぎるとその反動で体が開くのが早くなる。その微妙なさじ加減を探っている。

 後ろでみていた工藤監督は「躍動感が出てきた。今の段階では申し分ない」と、球数を投げられている現状を評価した。マメも悩みも乗り越えて、確実に前進している。【石橋隆雄】

 ◆松坂のこれまで 1日に捕手を座らせてブルペン投球。新品の投手プレートにスパイクがすべり、50球でやめた。連投を禁止されていて、2日はキャッチボールと遠投60メートルほど。5日には2度目のブルペン投球を行った。終盤には「ぐわっ」と声を出しながら迫力の投球で39球。投球後には工藤監督にフォームの質問をし、宿舎に戻ってもブルペン映像をチェックした。