阪神金本知憲監督(47)がキャンプ休日の10日、キャンプサバイバルを加速させる方針を明かした。今日11日に初紅白戦を開催。14日の2戦目と合わせ1、2軍昇降の判断材料にする。2軍からの昇格候補にドラフト6位板山祐太郎外野手(21=亜大)を挙げ、当落線上選手のおしりをペンペン。さあ、生き残るのは誰だ?

 今日11日からの宜野座キャンプ第3クールを前に、金本監督はニヤリと笑った。「入れ替えは考えていますよ。でもみんないいから落とす選手がいない…。2軍に行かせる名前が出てこない…。って言うと、ヤツらは甘えるかな? 対象の選手は何人かいる! 心も痛くない!」。冗談口調でも目の奥は笑っていなかった。実戦テストでいよいよ1、2軍の入れ替えを本格化させる。1次試験は11日と14日の紅白戦2試合だ。

 ここまで故障で伊藤隼、松田、島本の3人が離脱したが、不振や覇気なしとみなされての降格はない。唯一昇格したペレスも伊藤隼の代役の位置づけだ。だが、これからは実戦というモノサシで白黒をはっきりつける。金本監督は「内容、結果をコーチにも細かくチェックしてもらう」と明言。沖縄残留か、2軍安芸送還かの天国と地獄に分かれる。

 さらに指揮官は「向こう(2軍)にもいい選手がいるみたいだからね」とほくそ笑んだ。昇格の筆頭候補が新人板山だ。ドラフト6位ながら、6日の実戦形式のシート打撃でプロ1号を放つなど連日非凡なパンチ力を披露。外野手ながら「(古巣の)二塁がそこそこうまいと言うので、三塁もやらせてください」と掛布2軍監督に直電も入れた。

 外野に加え、内野にも挑戦させる板山の名前を出すことで、全野手陣に競争意識が広がることは間違いない。一気に西岡らの二塁、ヘイグらとの三塁争いにまで割って入るのか。しかも昇格候補が新人となれば、当落選上選手のお尻とプライドにも火がつくだろう。「板山も(注文が多くて)喜ばないとね」。すべてが指揮官の計算づくなのか。1軍切符をかけ、金本流の仁義なき身内サバイバルが幕を開ける。【松井清員】